根本的な生産性:非同期ワークの驚異的なメリット

Horizontal benefits of asynchronous work

あなたのクライアントが「プレゼン資料のデザインを急いでほしい」と連絡をしてきましたが、ロサンゼルスは終業時間が迫っています。あなたはここでそれを香港のチームに送信します。なぜなら、朝までに完成して受信トレイに戻ってくることが分かっているからです。従業員が自分の都合のよい時間を選んで作業をする非同期型ワークは、この仕事の手渡し方が典型的な例なのです。

非同期型ワークとは?

非同期型ワークでは、チームメンバーは、午前9時から午後5時まで作業する、または1日の間に2時間全力で取り組むなど、各チームメンバーが日々変わる作業時間を各自で設定します。

あなたのチームは、完全リモート、ハイブリッド、世界中に分散、または全員が1つのタイムゾーンにいる可能性があります。チームメンバーがどこにいてもいいのです。重要なのは、自分のタイムスケジュールで仕事ができる柔軟性と相互の信頼関係なのです。

今回は、非同期型ワークのメリットを説明した上で、組織で非同期型ワークを有効に活用するために必要なマインドセットのシフトについてお伝えします。また、非同期型チームコミュニケーションの詳細な入門書で詳細を学ぶこともできます。

あなたは既に(少し)非同期で作業しているはずです

非同期型ワークは、現在の働き方からは精神的・文化的に大きな変化をもたらすかもしれませんが、おそらく、思っているよりも身近なものです。例えば、既に地球の反対側にいる誰かと仕事をしていて、その人たちがあなたのメールにすぐに返信してくれるとは期待していないかもしれません。または、常にリアルタイムで同期するのではなく、Google Docでチームメイトにタグを付けて、フィードバックを待つかもしれません。もしかしたらメールの署名にも「自分の都合で今お送りしていますので、あなたのご都合の良い時にご返信ください」としているかもしれませんね。これらは全て、標準的な非同期型ワークのやり方です。

非同期型ワークの5つの利点

もう身近に感じたかもしれませんが、非同期型ワークは確かに「変化」です。迅速な対応よりも意図していること、混乱よりもフロー状態、会議よりも文書化を優先するものですから。しかし、一度その山を乗り越えれば、ここで示したように柔軟性と従業員の幸福を結びつけて生産性を高め、チームメンバーが自分のニーズに合った働き方ができるようにし、よりインクルーシブな職場環境を作るなど、非同期型ワークには多くの利点があるのです。

1.柔軟性と生産性の向上

Microsoftの2022Work Index Reportでは、リーダーの85%が、ハイブリッドワークへの移行により、最初は従業員が生産性を維持していると確信しにくくなったと述べています。この調査では、「生産性パラノイア」という造語を用いて、「労働時間、会議数、その他の活動指標が増加したにもかかわらず、社員が働いていないことが原因で生産性を失うことを、リーダーは恐れている」と述べています。

しかし、そのレポートのデータは、この「生産性パラノイア」が単なる「パラノイア」であることを示しています。実際、世界的にリモートワークやハイブリッドワークへの移行が進んでから、生産性の向上率はほぼ横ばいです。ある経済学者によると、リモートワークは経済成長を促進する可能性さえあるのです。

さらに、1万人以上の労働者を対象とした2021年のGartnerの調査によると、生産性を向上させる最大の要因は柔軟性であり(調査回答者の43%の答え)、次に通勤時間の短縮または通勤無し(30%)が続きます。このことから、柔軟性とチームメンバー全員の信頼関係を優先する非同期型ワークが有効であることが分かります。

このような信頼と、強力で明確な文書化が相まって、従業員の自主性を高められるのです。そして、それが迷いではなく、行動のきっかけになります。必要な情報がすぐに手に入り、仕事を進めるのに必要なツールがあれば、社員はチームメンバーからの口頭による合図を待つのではなく、自信を持って行動し、重要な決定を下せるようになります。

2.思慮深くなり、過剰反応が減る

同僚が香港に住んでいて、あなたがロサンゼルスにいる場合、すぐに返事が来るとは思わないでしょう。非同期型ワークでは、従業員はリアルタイムに応答するのではなく、よく考えて意図的な回答することが求められます。

一般的な9時から5時までの勤務では、カレンダーに会議がびっしり書き込まれていますが、非同期型の勤務では、会議に出席する回数は少なくなります。もちろん、会議はまだ存在しますが、それは複雑なトピックやブレーンストーミング、深い議論をするためのものです。あとは、スタンドアップ会議くらいでしょうか?それ以外は直接会ってのミーティングではなく、文章でやりとりするのが通例です。

3.非同期型ワークがフローを強化する

カレンダーが混み合ってたり、ダイレクトメッセージやメールが受信トレイ頻繁に届いたりすると、集中することが難しくなります。

「中断は、勢いを損失することで質の高い実行力を低下させ、その結果、苦痛に満ちたやり直しの必要性が生じる」と、The Time Bandit Solutionの著者、Edward Brownは述べています。

このような認知のシフトや、いわゆる「コンテキストスィッチング」(タスクやアプリの切り替え、プロジェクトベースの仕事と会議の切り替え)は、時間を浪費するだけでなく、より多くを達成するために不可欠なフロー状態の阻害につながります。実際、Inc.comは、注意散漫な状態から回復するのには、23分かかると指摘しています。

フロー状態になるには、より多くの中断されない時間が必要です。フロー状態とは心理学者のMihaly CsikszentmihalyiとJeanne Nakamuraによって広められた用語で、気が散るという状態を超えて仕事に没頭しているときに得られる深い集中力のことを指します。Csikszentmihalyiらの研究によると、フロー状態をより頻繁に経験する人は、一般的に幸福度が高いことが明らかになりました。

4.非同期型ワーカーは、自分に最も適する働き方で働く

非同期型ワークはハイブリッド、リモート、地域間格差のあるチームに柔軟性を持たせるだけでなく、チームメンバーは自分のニーズに最も適した時間やスタイルで仕事ができます。例えば、単純に朝が得意な人もいれば、夜が得意な人もいますよね。マットレスの小売業者から自動化プラットフォームまで、サーカディアンリズムやクロノタイプに基づいて生産性をハックする方法について、これまで多くの記事が書かれてきました

サーカディアンリズムをハックして生産性を最大限に高めることに加えて、また、非同期型の柔軟な働き方は、働く親や介護者にもメリットがあり、より幸福に、より仕事に集中できるようになります。

そしてフロー状態だったり、仕事と私生活のバランスが取れていたりして、従業員の幸福度が高ければ高いほど、生産性は高くなる傾向があります。Oxford UniversityのSaïd Business Schoolと、イギリスの多国籍通信会社BTが主導した研究では、幸せな労働者は生産性が13%高いことが分かりました。従業員の幸せは外に波及し、顧客体験を向上させ、最終的に収益にプラスの影響を与える傾向があることは、長年にわたって指摘されています。

5.非同期型ワークが、あらゆるタイプのチームメンバーを支援する

非同期型ワーク(Async)は、寡黙なメンバー、ユニークなアイデアを持つメンバー、オフィス以外の場所でより良いパフォーマンスを発揮するメンバーなど、あらゆるタイプの人々を支援します。世界中に社員を雇うことができるため、非同期で働くチームは一般的にまとまっており、そもそも世界中にいることから多様な視点をもたらしてくれます。

皆さんも、チームの会議でこのような動きを目にしたことがあるのではないでしょうか:「外向的で話好きなメンバーがアイデアを出して頻繁に返答するのに対し、自分の考えをまとめてから返答するメンバーのアイデアは後回しにされてしまうことが多い」。しかし、研究によると、非同期型ワークは、内向的な人が声を上げるための間を確保できるようです。

Susan Cain は著書Quiet: The Power of Introverts in a World That Can’t Stop Talkingで、Harvard Business Schoolのグループが行った「Subarctic Survival Situation」という実践について詳しく述べています。飛行機が墜落したときのサバイバル用アイテムの順位を決めるグループにおいて、最も発言力のある参加者が、サバイバル用アイテムとして実用性の低いものを選ぶようにグループに揺さぶりをかけたのです。その道の専門家は、単に控えめに発言しただけだったのでした。

共有ドキュメントやコラボレーションツールの活用により、非同期型ワークでは全員が考えをまとめる時間を持つことができ、静かな声の中から大きなアイデアが生まれることもあります。

夜型の人も内向的な人も同じように活躍できる場を作り、人材プールを拡大し、グローバルな労働力から生まれる新鮮な視点を得るために、非同期型の職場環境ではあらゆるタイプのチームメンバーがサポートされているのです。

例を示して、非同期側ワークの文化革命をリードする

Slackでさらっとメッセージを送ったり、その場で考えを話し合うミーティングに頼ったりしている人にとって、非同期型ワークの導入はマインドセットの転換であり、組織の文化の転換でもあります。ただし、時間をかけて非同期型ワークモデル移行のステップを踏むことは可能です。

会議のメモで社員に情報を提供する、スタンドアップを(口頭ではなく)文章で行う、チームメンバー全員が見えるように会議を記録するなどは、例を示してリードし始めるためのいくつかの方法です。

組織がどのように非同期型ワークを開始できるかについては、こちら非同期型ワークに関する今後のシリーズにご注目ください。

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この記事はSmartsheet社のウェブサイトで公開されているものをDigital Stacksが日本語に訳したものです。無断複製を禁じます。原文はこちらです。


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