#FruitfulTeams:専門家によるコラボレーションの秘訣

もし、設計に携わる全員がエンジンづくりの専門家だったら、どんなクルマになるでしょうか。そのクルマには、これまでで最もパワフルで効率的、かつ頑丈なエンジンが搭載されているはずです。しかし、頑丈で安全なフレーム、空気力学に基づいたボディスタイル、そして素晴らしいサウンドシステムなどは備わっていないでしょう。

自動車やソフトウェアソリューションなど、現代の職場において、異なるスキルセットや視点を持つ人々のコラボレーションは非常に重要です。しかし、異なる働き方の人たちと一緒に生産性を高めるのは難しいことです。

私たちは#FruitfulWorkシリーズで、人々が自分の働き方、強みと弱み、そして他者と一緒に働く最善の方法を発見する手助けをしてきました。ここでは、6人のエキスパートが、チーム全員から最高のアイデアを引き出しながら生産性を維持する方法についてアドバイスしています。

全員が自己表現できる場を作る

大きなアイデアで頭がいっぱいのとき、チーム全員の意見を聞かずにすぐに企画に取りかかるのは簡単なことです。しかし、それでは、プロジェクトをより良いものにするようなフィードバックをしたり、細部を補ったり、さらには答えを求めて質問を投げかけたりする機会を失ってしまうことになるのです。

「私は、大きなアイデアを大切にします。白紙の状態から始めて、通常なら取らない方法で問題を解決するのが好きです」と、StarbucksのSmartsheetエキスパート兼シニアシステムアナリストのKelly Drakeは語ります。「しかし、私は他の人、特にチーム内で静かな人たちに気を配るようにしています」。

Kellyは、自分のアイデアを実行することではなく、最高のアイデアを探し出して実行することが目的であると自分に言い聞かせています。そして、「このプロジェクトで最大の利益を得るために、チームが立ち止まってやり方を見直すようなフィードバック」を大切にしています。

しかし、ただ会議で意見を求めるだけでは十分ではありません。「会議の場で声を大にして発言するのが得意な人もいれば、グループ チャットで発言するのが得意な人もいるでしょうし、個別にメッセージを送信したい人もいるでしょう」とSmartsheetのプリンシパルプロダクトマーケティングマネージャーのBrian Boscheは言います。「各自が最も意見を出しやすい方法が何であれ、チャンネルをオープンにして、チームから最高のものを取り込むようにします」。

MicrosoftのプロダクトマーケティングマネージャーであるDaniel Canningは、アクセシビリティーとコミュニケーションが重要であることに同意しています。「どうすれば私たちが取り組んでいるプロジェクトにもっと共感できるでしょうか?私たちは大きなアイデアを持っていますが、それをどのように実行すればよいのでしょうか?私たちは、会議の前、最中、後に仕事をすることができる非同期式のツールを用意し、人々が都合良く仕事できるようにしています」と述べています。

積極的に意見を求める

人々が意見を述べられるよう余白を持たせることは良い一歩です。しかし、意見を受動的に求めるのではなく、いつもは発言しないような人たちに積極的に働きかけることが重要なのです。DIYMarketingエキスパートのIvana Taylorは、「私が得た教訓は、より良い解決策をより早く得るには協働が必要ということです」と述べています。

Ivanaは、全員の意見を聞くために次のプロセスを提案します。「データに目を通します(Smartsheetにメモと質問を追加し、人をタグ付けしてフィードバックを得ます)。そのフィードバックをもとに、解決策やアイデアの上位3つを考えるのです。ミーティングでは、上位3つの解決策をまとめたことを伝え、チームがそれを採用するか、微調整するか、変更するかを尋ねます。そうすることで、自分の強みを生かし、チームの強みを認めることができるのです」。

Cornerstone Dynamics Inc.のCEOであるAdriana Girdlerは、生産的なフィードバックを求めるために、同様の方法を提案しています。「私は、とても簡単なテクニックを使っています。その場にいる全員に、自分の考えを紙に書き出すように頼みます。まず、全員が自分の考えを聞き、書き出すことができるようにします」と彼女は言います。「そして、部屋の中をぐるぐると回って、みんなに自分のアイデアを話してもらい、その中から採用する案を決めるのです」。

このテクニックは、「発言するのが好きな人だけでなく、内向的な人も外向的な人も、部屋にいる全員が自分の考えを伝えられるようになります」とAdrianaは語ります。

積極的に意見を募っているのに、チームがまだ遠慮している場合は、彼らが発言することに安心できていないからかもしれません。無関心、不安、恐怖など、感情的な反応には対処が必要です。

中小企業の専門家であるBarry Moltzは、個人レベルでチームの状態を確認する時間を取ることを勧めています。「私は仕事の会議を始めるとき、まずチェックインをします。私は、『始める前に、みなさんの状況を知りたいです』と言います。そして、その答えに真剣に、誠実に耳を傾けるのです」。この小さな時間の投資が、生産的な企業文化を発展させるための配当となる、とバリーは言います。「たった30秒で、回復のためのつながりができるのです。そしてそれは、孤立した職場環境において、私たち全員の生産性を高めるためにとても必要なことなのです」。

生産的なコラボレーションのためのガードレールを設定する

「ラクダは委員会によって設計された馬である」という古いジョークを聞いたことがあるかもしれません。あるいは、「料理人が多すぎるとスープがまずくなる」(船頭多くして船山に登る)という古いことわざをご存じかもしれません。プロジェクトの成功には、コミュニケーションとコラボレーションが重要であるのと同様に、イノベーションが議論の中で失速しないような取り決めが必要なのです。

Jessica Holsmanは、「Study with Jess」の動画で42万3000人の購読者を持つプロのコンテンツクリエイターです。彼女は、単身での活動から制作チームのいるスタジオに移行する際、アドバイスや提案を受け入れることに苦労したそうです。

しかし、「時間をかけて、コラボレーションや他の人のアイデアやフィードバックを受け入れることを学びました。コラボレーションは貴重な財産です」と彼女は言います。しかし、注意点もあります。「私は今でも、アドバイスを受ける人を厳選しています。アドバイスをもらう相手は、自分のビジョンに共感してくれる人でなければなりません」。全員が同じ目標に向かって進んでいれば、方向性や勢いを維持しやすくなります。

プロジェクト管理ツールは、生産的なコラボレーションを促進するための境界線を設定し、強化するのに役立ちます。タイムマネジメントコーチのGamze Fackelmannは、「私にとって本当に重要なことは、チームメンバーに活動へ参加してもらうこと、定期的にチェックインをすること、プロジェクト管理ツールを使うこと、そして話し合う時間を定期的に持つことです」と述べています。これらのチェックインを有益なものとするために、Gamzeは「標準作業手順書、プロジェクト管理ツールに実装した簡単なチェックリスト」も用意していると言います。

より実りある仕事に向けて

リモートワークやハイブリッドワークの時代には、実りあるコラボレーションを推進するために、活発に意見交換できるように工夫することがこれまで以上に重要です。Fruitful Workハブをご覧になって、ご自分に合った働き方を見つけ、専門家のアドバイスを受けてください。

この記事はSmartsheet社のウェブサイトで公開されているものをDigital Stacksが日本語に訳したものです。無断複製を禁じます。原文はこちらです。